『週刊 日本刀』創刊記念!
「石切丸」の所蔵元、石切劔箭神社の宮司さんにインタビュー<後編>

デアゴニュース


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Q.「石切丸」は今は宝物殿に展示されていますが、展示されていない時はどのように保管されているのでしょうか?

A.湿度を機械で調整しているケースの中で保管しております。展示では縦にしていますが、保管時はもちろん横にしています。

Q.祭事や展示の時に、取り出して実際に使用することもあるのですか?

A.お祭りの中で石切丸を使うことはないのですが、年5回の大祭の時に「剣の舞」という浪速神楽(なにわかぐら)を奉納しております。神楽の時は模造刀を使用しておりますが、恐らく昔は真剣だったのではないかと思います。

Q.今回、日本刀を縦に展示するという手法を初めて見たのですが、あのアイデアはどこから生まれたのでしょうか?

A.刀を手入れする時は刀をよく見るために縦にします。縦にすることで360度、刀を隅々まで見ることができますが、横に寝かせてしまうと、裏面も見ることができません。そこから縦にして展示するのがよいのではないかと思いつきました。

Q.先ほど宝物館の展示を見させていただいたのですが、すごく距離が近い感じがしました。

A.そうですね。横にしますと、どうしてもガラスと刀に距離が生まれてしまいますので。

Q. 今回の展示では、小狐丸も展示していらっしゃいますが、小狐丸のエピソードは何かございますでしょうか?

A.小狐丸もどのような経緯で奉納されたのか記録が残っていません。小狐丸は大変有名な刀で三条有成と同一人物もしくはお父様と言われている三条宗近が、稲荷明神の助力を得て作刀した伝説の刀と言われています。伝説であって現物はないという説もありますが、当社所蔵の小狐丸には宗近の折り返し銘が入っておりますし、御神刀として大切に扱っています。

Q.石切丸よりも細身の印象で、美しい刀だと思いました。いつも一緒にお手入れされているんですか?お手入れされる時はどのような感じなのでしょうか?

A.手入れをする際は非常に緊張感があります。頻度としては月に1回くらいです。ただ、昔は5振りしかなかったので、それほど大変ではなかったのですが、定期的に蔵から刀が見つかり、今は60振りになってしまいました。一度18振りを一気に手入れしたことがあるのですが、その時は精神力を削られていくようで、どっと疲れました。

Q. 蔵を整理する時に日本刀が見つかるものなのでしょうか?

A.蔵には刀だけでなく、様々な物が大量に収められているのですが、目録などがあるわけではございませんので、何がどこに置いてあるなどが分からず、「こんなところに日本刀が」という感じで見つかります。

Q.もしかしたら今発見されていないものの中に、貴重な物がある可能性もありますね。

A. あるかもしれないですね。こればかりは分かりませんが。

Q. 1振りあたりどれくらい時間をかけてお手入れされるんですか?

A. 石切丸のような長い刀ほど時間が掛かります。小狐丸のような短めの刀は手入れにはそれほど時間は掛かりません。

Q.お手入れの時はたくさん道具を使われるのでしょうか?

A.今は少ない道具だけで手入れができるようになってきてきましたが、最初の頃は沢山の道具を買って用意していました。

Q. 具体的に刀のお手入れはどのようにされるのでしょうか?

A.基本的に油を引かなければならないのですが、その前にほこりや汚れなどを柔らかい布で拭います。拭った後に、保管する場合はそこに油を引いて終わりです。
取り出す時は、引いてある油を一旦拭います。柔らかい和紙をもんだもので拭いて油を取るのですが、取り切れないものに関しては打ち粉という砥石の粉を集めた研磨剤のようなものをかけて、残った油を全部取ります。取った後、眼鏡を拭くようなクロスで拭いています。そうすることで油の膜も取れて、展示できる綺麗な状態になる。その繰り返しですね。

Q.ちなみにお手入れされている時は、手にしっかり持つと思いますが、感触や重さはどのような感じでしょうか?

A.そうですね。昔の長い刀は自分の身長に合わせて短くするなどされており、刀によって重さが違い、形によってはちょっと重さすぎる刀とかもございます。
手入れしている中で、自分にとって一番いい刀に気づくこともあります。合う刀があっても別に使うわけではないのですが。

Q. 仮に自分が振るうと想像したら、一番使いやすそうだということでしょうか?

A.はい。そうですね。
小狐丸は非常に持ちやすく、手入れがしやすいので、子どもだとしたら、手間がかからない可愛い子どもだなと思います。

Q. 今回、5月28日に週刊「日本刀」が全国創刊しました。『週刊 日本刀』では石切丸を原寸大で掲載していますが、こうして印刷されたものを見てどのような印象、感想をお持ちでしょうか? また、いつも身近にある刀がこのように紹介されることに対し、どのような感想をもたれましたか?

A.立派に美しく綺麗に撮れているなという印象です。額に入れて飾っておきたいですね。
日本刀という文化を多くの方に知っていただくことは大変良いことだと思います。
先程も申し上げましたが、日本刀というのは日本の物作り、作った物に魂を込める、そういう象徴的な存在です。当社の御祭神、饒速日尊(にぎはやひのみこと)とその御子、可美真手命(うましまでのみこと)は古代豪族の物部(もののべ)氏の祖神なんですね。物部氏は古代において、軍事を司っていた氏族で、いわゆる最先端技術の鉄器、鉄の武器を作る技術を独占していた氏族でもあるわけです。そういう意味においても、日本刀や日本の物作りの精神というものをこのような形で取り上げていただき、皆さまに知っていただくというのは大変ありがたいことだなと思います。

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